Q:葬儀の事前相談ってどうすればいい?
最近は「終活」という言葉も流行っており、自分自身や両親の葬儀のことも前もって相談する人が増えていると聞きます。
でも葬儀の事前相談といっても、葬儀の希望とか別にありませんし、はっきり言って「安くて良い葬儀」にできればいいと思っています。
葬儀の事前相談に行くときは何も決めずにただ話を聞きに行けばいいのでしょうか?
それとも予算とか演出とか費用とかの希望を考えてから行ったほうが良いのでしょうか?
「いい葬儀になればいいや」というお気持ちはよく分かりますが、人によって良い葬儀のとらえ方が全く違いますよね。
費用が安いとかお花がいっぱいだとかたくさんの方が参加してくれるとか。みなさまにとっての良い葬儀ってどういう葬儀ですか?
このことを描けていると、葬儀社に事前相談に行った際もズレがなくて済みます。
“これだけは譲れない!"という軸があることで、良い葬儀が実現できるのです。
葬儀はネットやチラシだけでは見えないブラックボックスがたくさん隠れています。
余裕があれば前もって葬儀の事前相談に行かれることをお勧めします。
「安くて良い葬儀」って何だろう?
質問者様のおっしゃる通り、最近は具体的に予定がなくても前もって葬儀のご相談をされる"事前相談"も増えてきています。
とはいえ、葬儀のことを考えるよっぽどのきっかけがないと、「どれくらいの規模の葬儀が良い」とか「予算はいくらまで」などといった具体的な希望って決めるのは難しいですよね。
でもいざという時にみなさまの中に「安くて良い葬儀」の定義がないと、大切な方を亡くした動揺の中でバタバタ決めて、後悔してしまうということにもなりかねません。
ということで今回は、まだ予定がない人のために事前相談で"最低限"抑えておくべきポイントをご紹介します。
「あぁ、安くて良い葬儀にするには、こういうことは事前に把握しておかないとね」という発見があれば、十分です。
事前相談の時に抱いておきたいイメージ
葬儀の雰囲気
最近の葬儀は昔と違い、「安く・小さく・少なく」の流れが主流です。
すなわち、昔よりも安い金額で、祭壇や会館のスペースは小さめのところで、参列者は少なくといった感じです。
一方で、故人様の生前のご活躍を鑑みて、出来る限り多くの方を呼んで盛大に送り出したいという方もいらっしゃいます。
したがって、家族や近親者のみでこじんまり送り出したいのか、多くの方を呼んで盛大に送り出したいのか、といった葬儀の雰囲気を決めておきましょう!
まだ決めきれない場合は、両方のパターンで提案してもらうというのも非常に参考になります!
人数の規模
遺影写真や棺桶、火葬料金など、葬儀を行う際に規模に関係なくかかる費用もある一方で、人数の規模によって大きく変動する費用もあります。
たとえば、通夜振る舞いや初七日法要の際の飲食費用や、会館の大きさで変わる会館使用料、会葬者にお渡しする会葬礼状や香典返しなどです。
予定がない人にとっては「人数なんて予想できない!」と言いたいところですが、出来る限り早い段階で何名くらいの規模の葬儀ならいくらと知っておくだけでもいざという時有利です。
際限なく会葬者を呼んでしまうと、ものすごい費用が掛かったり、受付対応の気疲れでしっかり故人とお別れできなかったということにもなります。
したがって、10名とか50名とか100名とか人数に対するだいたいの費用目安を知っておくことで、どの範囲までの人を呼ぼうと逆算することも可能ですよね。
“総額"の確認
葬儀の事前相談にお越しになった方から多く聞く話が、「事前に見積もりをもらっていたのに、実際は倍の金額を請求された!」ということです。
とにかく揉めます。
事前相談にせっかく来てもらったので、いざという時は自社に申し込んでほしいがために、わざと安いプランを提示して"安さ"を植え付けておくわけです。
消費者の立場に立つと何社も葬儀社に行くのは面倒なので、いざという時には「この前事前相談に行った○○葬儀社が安かったわね。」ということで、申し込みます。
そうすると、「先日お見せした30万円のプランは基本料金だけです。このほか飲食費用や火葬料金、お布施などは別に掛かるんですよ」なんて、積もりに積もって基本プランの倍以上になるというわけです。
頭にきて文句を言うと、葬儀社は「うちがもらう金額は30万円だけですよ。そのほかは火葬場とか料理屋とかお寺に行くので、あくまでうちが頂く30万円を提示しただけです!」と返してきます。
したがって葬儀費用で揉めないための最善の方法は、相談に行って見積もりを出された際に「じゃあこの金額で葬儀費用が全部賄えるんですね?」と一言聞くことです。
事前相談のような時間と余裕があるときこそ、目先の"安さ"につられるのはグッと我慢して、総額がいくらなのかを忘れずに確認しておきましょう!