Q:直葬と密葬の違いって何?

いつからなのか分かりませんが、知らないうちに「家族葬」や「直葬」といった新しい形の葬儀が出来ているようです。
「密葬」は昔からあった気がするんですが、「直葬」は「密葬」と同じことなんですか?

現在は昔に比べて葬儀の形が多様化しているので、葬儀社としても名称を変えるしかありません。
しかしながら「密葬」や「家族葬」といったものにきちんとした定義はないので、あくまでも依頼するお客様側が"こういうお別れを、○○万円くらいで行いたい"と思い描き、その希望に合う葬儀社や葬儀プランを決めていきましょう。



「家族葬」や「直葬」に定義はない

厳密に申し上げると、「家族葬」や「直葬」には“家族葬とはこういう形"とか“僧侶による読経がないのが直葬!"などといった定義がありませんから、新しい形の葬儀が出来ているわけではありません。
インターネットの普及や地域のつながりの希薄化が顕著になってきたいまの時代に合わせて便宜的に「家族葬」や「直葬」という"呼び名"が生まれただけです。
ですからある葬儀社が「家族葬」と謳っていても、別の葬儀社は全く同じ内容なのに「直葬プラン」と書いていても間違いではないのです。

「密葬」は著名人が行うことが多い

さて、質問者様のおっしゃるように、「家族葬」や「直葬」と比べて「密葬」は昔から馴染み深い言葉のように思います。
「密葬」という言葉を耳にする機会の一つに、大物政治家や人気のある芸能人や有名人が亡くなった場合にテレビのワイドショーなどで「昨夜、○○さんが亡くなられました。葬儀は密葬にて執り行われるそうです」ということがありますよね。
すなわち「密葬」とは、人気があったり有名だったりして、普通の葬儀を執り行った場合に会葬者が多くなりすぎて混乱が生じないように、近親者のみで静かに故人を見送る葬儀のことをいうことが多いようです。

「密葬」と「直葬」の決定的な違い

「密葬」の場合は近しい身内だけで通夜・葬儀式を行うわけですから、一般的に通夜・葬儀式を行わず安置後に火葬をする「直葬」とは形が大きく異なります。
さらに「密葬」の場合は、その前後に別途"お別れ会(※)"などが開かれることが多いようです。
※元ZARDの坂井泉水さんが亡くなった際は、近親者のみで密葬が行われた後に、東京青山葬儀所でお別れ会が開かれました。
このように「密葬」と後日の「お別れ会」はセットになることが多いですから、「直葬で行う」ことを間違えて「密葬で行います」と伝えてしまうと、「ではお別れ会はいつあるんですか?」と聞き返されることもあり得ます。
とはいえはっきりした定義はありませんが、「密葬とお別れ会はセット」であること、「直葬は通夜・葬儀式を行わない火葬中心の葬儀」と覚えておけば良いと思います。