Ｑ:地味な葬儀？派手な葬儀？葬儀屋の言いなりになるほうが良いの？

冷静になる時間を作る

葬儀の相談に"焦り"は絶対に禁物です。
とにかく少しでも違和感を感じたら、ご自身の意思をはっきり伝えることが重要です。
もしも葬儀社から回答を急かされる場合は、根負けして言いなりになるのではなく、｢考えて明後日までに回答します｣とか｢ちょっと相談するので電話させてください｣などと言って、いったん席を立つなど冷静に考える時間を作ってください。

良いか悪いか、葬儀社を見分けるポイント

良心的な葬儀社であれば、みなさまの立場に立って話しているので、｢低価格のプラン｣と｢少し派手にしたプラン｣の両方を提示して、判断を消費者のほうに委ねてくれます。
さらにみなさまが悩んでいる様子を感じると、葬儀社のほうから｢いつ頃なら決められそうですか？｣と気遣ってくれるはずです。
すなわち、様々なパターンでの提案がなく｢これが一番いいですよ！｣と葬儀社の都合で押し付けてくる場合は、他の葬儀社をあたったほうが賢明です。

葬儀社の営業マン

当たり前ですが、葬儀社にも一般の企業と同じように営業担当の人間、つまり営業マンがいます。
営業マンはお給料に加えて歩合給をもらっているケースが多いので、安い基本プランからいかに多くの金額をみなさまから取れるかが勝負です。
さらに葬儀の知識が豊富な方がほとんどいないので、プロっぽい雰囲気を出せば｢じゃあお任せします｣となることも経験則で知っています。
そのときの魔法の言葉が、冒頭の｢お世話になったお父さんなんですから！｣というわけです。
発せられる言葉や提示してくれるプランの質をしっかり観察して、ご自身にとって本当に信頼できる営業マンなのかどうかを判断しておきましょう。

よくある誘い文句

せっかくなので葬儀社の営業マンが発する誘い文句とそれに対する対応案を書いておきます。

事例1)いま決めてくれたら○割引にします！

そもそも元値が適切か分かりません。
わざと高い定価を提示して、安く見せかけているだけの場合が多いです。
こんな時は｢他社と比較するので、割引なしのおたくの定価はいくらですか？｣と聞いてみましょう。
他社と比較するといわれると、強気でいられる営業マンは少ないはず(高いところは特に)です。

事例2)地味な葬儀にして葬儀代をケチったら○○さまが成仏できませんよ！

そんな訳ないですよね。
葬儀費用が適切で無事にトラブルなく火葬が済む方が成仏できるに決まっています。
こんなときは｢生前からお金に厳しい人でしたから、私も何となく進めるわけにはいきません。家族だけでこじんまり見送りたいです｣といって誘いを突っぱねてしまいましょう。

事例3)いますぐご遺体を病院から搬送しないといけません！

病院に入り込んでいる葬儀社がよく使う手です。
確かに病院は生きている方のための施設なので、早く搬送しないといけない感じはしますよね。
とはいえ、病院もそこまですぐに搬送しろとは言わないはずです。
1日は無理にしても半日位は待ってくれますよ。
こんなときはネットや電話帳で地域の葬儀社を調べながら、｢これからいくつか葬儀社に当たってみるので、搬送は少し待ってください｣と伝えれば大丈夫です。

冷静になる時間を作る

3つほど実例を交えてご説明しましたが、“よく分からないままその場の雰囲気で決めてしまわないこと"が重要です。
おてごろ葬にも日々多くのご相談を頂きますが、費用や内容に納得していただいた方は即決でご依頼いただきますし、ご家族様と相談したい場合は｢後でまた掛けます｣と言われ一旦電話をお切りになる方もいらっしゃいます。
葬儀の相談って分からないことが多くて視野が狭くなりがちですが、そんなに慌てて決める必要もありません。
相談できるご家族がいらっしゃらいのであれば、非通知でもいいので他の葬儀社に相談してみると新たな発見があるかもしれません。