知られざる”墓じまい”のトラブル4選

墓じまいとは

今あるお墓から遺骨を取り出し、墓地を撤去してお墓の管理者に返すことを"墓じまい"といいます。
文字にすると非常に簡単なので、「うちもやってみようかしら」なんて検討している方もいらっしゃるかもしれません。
ただし実際に"墓じまい"を行うとなると手間もお金も時間を掛かりますので、思いもよらないトラブルに巻き込まれる可能性も!
そこで今回はみなさまがスムーズに墓じまいが行えるように、墓じまいで起こりうるトラブルをまとめてみました。
是非参考にしてみてください!

石材店が自由に選べない!

冒頭でも書きましたが、本来の墓じまいの目的は「今あるお墓から遺骨を取り出し、墓地を撤去してお墓の管理者に返すこと」です。
もちろん遺骨を取り出したり、墓石を撤収することは素人ではできませんので、石材店さんに依頼すると思います。
ホームページを見て「あ!ここは安くて安心できそう!」なんて思っても、いまお墓のあるお寺や墓地が特定の石材店と提携していると、みなさまの意思で石材店を自由に選ぶことは出来ません。
つまり、みなさまがどんなに頑張って安くて良い石材店を見つけても、「うちは○○石材店でしか墓石の撤去は出来ないよ」と突っぱねられるおそれもあるのです!
したがって墓じまいを行うときは、いまお墓のあるお寺や墓地が特定の石材店と提携しているのか自分たちで石材店を選んでもいいのか、を前もって確認しておきましょう。

“離檀料"という手切れ金

今のお墓がお寺にある場合限定ですが、お寺にあるお墓を撤収する際、つまりお寺の檀家を離れる際に"離檀料"という手切れ金を要求されることがよくあります。
私たちの立場では「もっと便利な場所にお墓を移したい」とか「子どもや孫世代にお墓守の負担を負わせたくない」という理由で墓じまいをするわけですが、お寺の立場からすると檀家を離れられる=貴重な収入を失うということになります。
そのため何とか墓じまいを阻止しようと"離檀料"を要求するという流れになります。
この時に一番避けたいのは、感情的になってしまうこと。
「どうして墓じまいをするだけなのに○○万円も支払わなくちゃいけないんですか!」なんて口論になると丸く収まるものも収まりません。
良い対策としては“離檀料"の交渉の際に冷静な判断をしてくれる第三者を連れていくことです。
みなさまとお寺さんの両方の意見を聞きながら、うまく妥協点を見つけてくれることでしょう。
第三者がいることにより、お寺さんの方も法外な"離檀料"を請求しづらくなるというメリットもあります!



トラックが入れない!クレーンが動かせない!

石材店も決まって管理者の許可をもらって、「いざ墓じまい開始!」と思い立った矢先に起こりうるトラブルです。
墓石は非常に重いですから墓じまいの際は大きなトラックや重機、クレーン等が必要です。
トラックが問題なく墓地に入ることが出来て、重機やクレーンが問題なく動かせる場合は良いのですが、トラックが入れない!クレーンが動かせない!となると本当に大変です。
このトラブルを回避するポイントは、依頼する石材店さんと契約前に共に現地調査を行い、トラックやクレーンで問題なく作業が出来るか確認しておくことです。
インターネットで見つけた安い石材店さんの中にはろくに現地調査もしないで、後から多額の追加料金を請求してくることもありますのでご用心を!

親類・親戚と揉める!

お墓に限らず葬儀でもお仏壇でもお金でも、終活に関することはとにかく親類と揉めます。。
なぜなんでしょう?1回会ったことあるかないかくらいの親戚が登場して「私は経験があるから全部任せて!」なんて無責任なことを言い出す方っていますよね。
お金を出してくれたり、責任を取ってくれるならまだいいんですが。。
話が逸れましたが、家族でしっかり話し合って墓じまいをすることを決めても、文句を言ってくる親類・親戚は必ずいます。
このトラブルの対策は一概に申し上げることは難しいです。
「家族で決めたことなので墓じまいを行ったあとで親せきに報告する」ことが良いのかもしれませんし、「今のお墓に関わりのある親類・親戚を説得してから墓じまいをする」ほうが良いこともあります。
いずれにしても話し合いの際に両者が感情的にならずに済むよう、墓じまいをしたい理由や目的をはっきりさせておくべきです。
筋が通った話をしてあげれば、頭ごなしに非難する親類・親戚もあまりいないと思います。